看護師が未経験の診療科に転職して失敗した話
山田キヨ(30代・千葉県・看護師)「未経験の科に転職したい」
「でも怖い…」
「どうしたら…」
先日、こんな相談を受けました。
未知の世界は、やっぱり怖いですよね。
私は転職経験が多いため、友人知人からこうした話をよく聞きます。
決まって私は「自分の失敗談」と「3つのコツ」を伝えるようにしています。
これが功を奏してなのか、転職していった友人達は案外うまくやっているようです。
そこで今回は、「未経験の診療科で働く3つのコツ」を書いてみたいと思います。
失敗から学べることは多いと思いますので、ご参考になれば嬉しいです(^^)
私の失敗履歴
私は4回の転職、2回の異動を経験しています。具体的にはこんな経歴です↓
NICU、オペ室、神経内科、皮膚科、脳外、内科外来、透析。
NICUで看護人生をスタートさせました。
3年目にまさかのオペ室異動辞令。余りの違いに毎日泣きながら過ごしました。
そして転職で神経外科に。初の成人看護。しかもALSやパーキンソンの方々は我が強く、毎日泣かされる羽目に。
転職で皮膚科に。平穏な日々が戻る。
が、脳外に異動で泣く毎日に逆戻り。
転職で内科外来へ。
今は透析で働いています。
私はこんな感じの、広く浅くのスキルを持った看護師です(^^;)
失敗と成功を分けたものは?
さて。本題に。
未経験の転職は、どこで成否が分かれるのでしょうか?
私の経験上で言えば「あなたの必要度合い」だと思っています。
必要な人材は重宝されますし、そうじゃなければ適当に扱われます。
当たり前の話なのですが、これが重要だと思うのです。
じゃあどうやって重要な人物になるのか?
これには3つほどコツがあります。
コツその1
事前にその分野の勉強しておく。これは当然誰もがやっていると思うのですが、私はやっていなかったことがあり(^^;)
その結果として周囲の冷たい目に晒され、短期退職となったのです。
教える側としては「え?何コイツ!?勉強してきてないの!?」となりますよね。
当然教える気は失せます。
その話は瞬く間にステーションに広まるでしょう。
非常識、やる気がない、何も考えてない。
こんなレッテルを貼られると確実に孤立します。
あの時は辛かった(T-T)
(自分が悪いのですが…)
第一印象は大切です。
内定が決まったら必ず勉強をして基礎知識を頭に入れておきましょう。
もちろん実際の現場はこうした勉強がすぐに役には立ちません。
でも皆さん経験済みだとは思いますが、看護は実務と座学のすり合わせです。
実践で慣れるしかありません。
コツその2
スキルの低い職場を選ぶ凄い人はどの世界でも重宝されます。
でも「凄い」というのは相対的なものです。
例えば、超一流グループの中では、超人であっても「ただの人」に成り下がってしまいます。
超人は普通グループにいるからこそ目立つ存在になれるのです。
これは「希少性の原理」と呼ばれる行動経済学の理論です。
この理論で言えば「あなたが、その職場にはない、希少な存在」になればいいのです。
例えば、私のような凡人が希少な存在になるは「レベルの低い職場」に転職すればいいのです。
もっと具体的な例を出すと、透析は内科経験者が重宝されます。
糖尿患者はいくつもの持病を抱えているからです。
その持病は大抵内科系。
だからこそ私のような内科経験者が重宝されるのです(透析未経験でもあっても)
しかも。
今の職場はお世辞にもスキルが高いとは言えません(^^;)
皆さんほぼ透析一筋。
針を刺すのは上手ですが、それ以外はからっきしです。
言い方は悪いですが「落ちこぼれグループなら、輝きやすい」という訳です。
もちろん「バリバリ勉強してスキルアップしたい!!!」という方は、高レベルの職場を選んだ方が良いです。
でも「未経験だけど働いてみたいな」というくらいの方は、低レベルの職場を選んだ方が良いです。
コツその3
未経験者の採用実績を調べておく未経験者が上手くいくかどうかは、職場環境によるところが大きいです。
周り次第の所があります。
「また未経験者!!?」
「足手まとい!」
「迷惑!」
看護の世界ではよくある光景だと思います(^^;)
もちろん皆さん口には出さないですが、態度にはしっかり現れますよね…。
当然ですが、こうした職場では未経験者が生き残る確率は下がります。
逆に。
「未経験者でも全然大丈夫!」
「すぐ覚えられるよ!」
「教えてあげるから!」
こうした雰囲気の職場だと、未経験でも断然働きやすいです。
今の病院がそうなのですが、未経験者でもブランクがあっても採用して、たいてい定着しています。
今年はブランク7年で透析未経験の看護師を採用しましたが、まだ3ヵ月目ですが職場にかなり馴染んでいます(本人も「復帰してよかった!」と言っていました)
未経験で心配な方は、転職先を選べばいいと思います。
診療科とは言っても、色んな病院がありますので。
失敗談の追記
ちょっと書き足りないところがあったので追記します。基本的には勉強する気があれば、好意的に受け止めてくれる職場がほとんどです。
でも中途に求められるのは即戦力です。
「勉強させてください!」のスタンスが強すぎると反感を買いやすいです。
だからこそ面接では「どんな人材を求めているのか?」をしっかり確認してください。
できれば師長や主任など、現場の責任者と話せるのがベストです。
人事課の面接官の話をうのみにすると、後で痛い目をみます。
私のように…(T-T)
現場がどんな人材を求めているかが大切です。
人材紹介を間に入れて、聞いてもらうのも手です。
最後に。
未経験でも意外と何とかなります。医療の基礎知識は、どの科でも使えますので。
「新卒ほど大変ではない」
というのが未経験の診療科に移っての感想です。
それは経験を重ねるごとにそう思うようにもなりました。
もちろんICUや救急、脳外など難易度の高い職場は別です。
求められる能力が高すぎると、やはりうまくいきません。
自分レベル > 職場が求めるレベル。
これが大事なのかなと。